白露:お灸は効果万能

folder治療院にて

船橋市のじんゆうどう鍼灸院です。

暦は【白露:はくろ】に入りました。昼間の暑さはまだまだ酷いものがありますが、秋に向かい朝晩に涼しい風を感じるようにもなってきました。白露という言葉は草木に降りる「露:つゆ」のことだそうです。『暑さ寒さも彼岸まで』という言葉があるように、毎年なんだかんだで秋分の日になると暑さが止むように思います。そう考えると今年のこの暑さももう少しの辛抱ですね。

白露

お灸は効果万能

タイトルにあるようにお灸の効果が万能!と思える出来事があります。当院での鍼灸治療のようにツボを刺激して自律神経バランスを安定させるような使い方はもちろんです。ここでは私事になりますが「爪ささくれ」ができた時の使用方法についてご説明します。

「爪ささくれ」はご存知でしょうか。手足の爪の脇側にできるささくれだったあのヤツです。

爪と皮膚の間にあり、体調不良や栄養状態の不安定によって乾燥が起き、爪が乾いて剥がれてしまうことが原因だそうです。これを鍼灸治療で治す…という記事ではなく、さすがに対処療法として物理的に除去してしまうことが早いです。指先は神経線維が多く、衣服を着る際に引っかかったり、少し触れた際に痛みが出てしまうことで日常的にストレスを感じますからね。

爪ささくれ

これは手指の爪ささくれです。このくらいならプチッと取ってしまうのですが、皮膚科やネイリストさん方が推奨される方法は根本からカットして、オイルでの保湿や水バンソーコーで保護をする方法をオススメされています。これは強引に除去した傷口から出血したり、細菌が侵入し化膿したりするケースもあるからです。

私の場合、右足の小指、外側1/3が(もはやささくれ?)として剥がれてきました。昔からよく繰り返していたのですがカットして伸びて…の繰り返し。気づいたらつかめるほどに伸びていたので思わず妻に相談したところ、さすが肝っ玉母さん、躊躇せずに毛抜で一息にズボッ!といきました。小指の爪を1/3引っこ抜くようなものなので、それはもう出血が止まりません…

やっとここで本題のお灸の出番です。

お灸に使われる「艾:もぐさ」はヨモギを精製して作られる薬草の一種です。古くには血止めとしても使用されていました。乾燥した艾が血液を吸収してカサブタのような働きをして止血を助けてくれるのです。

鍼灸師の私は早速、清潔な艾を取り出して洗浄した傷口にモグサをネジネジと押し込みバンソーコーで抑えます。

翌日、シャワーで洗浄するとまだ傷口が沁みます。もちろん昨日の今日で塞がるような穴ではありませんからね。よく洗浄してもう一度モグサを詰める。すると帰宅後の入浴の際に、モグサが乾いてキレイに血が止まっています。素晴らしい止血作用です。力を入れて踏み込むと痛みが走るので、ここで今度はお灸の出番です。血行が促進されて回復を早めてくれます。

今朝の検温

細菌の毎朝検温とお灸の際には治りが早まるように傷口に使っています。

手先の傷口に化膿が多いのは、菌に触れることが多い箇所ということ、身体の端であるので血行が行き渡りにくいからという考えが有力だと思います。おかげさまで3日目ですでに痛みも化膿もなく経過が良く無事に快方に向かっております。

ツボを用いて体調を整えるという熱刺激を使った神経反射の治療のイメージが強いモグサですが、古くからの様々な使用方法があり、清潔に洗浄をすることと回復を促すこと、この2つに大活躍だったという記事でした。

この身をもって東洋医学の効果を日々実感しております。