生命力の考え方

当院で初めて治療を受けていただく際に、東洋医学的な治療法についてご説明させていただいている例の一つとして生命力のお話があります。

【生命力】や【氣:き】という言葉は現代社会では非日常的な言葉ですよね。東洋医学ではこれらの言葉なしでは説明ができないことが多くあり、未だに説明に用いられます。

もしかしたら医療機器が発達した今だからこそ、機械に見えない身体の働きとしてこれらの言葉は使われているのかもしれません。循環器系統

事実、海外では氣の概念を重視した鍼灸治療が重視されているとハワイ出身の鍼灸師から耳にしたこともあります。

ここでは氣の概念を基に病の発症をご説明できたらと思い書き進めていきます。

「生命力を蓄えられる器」を例にする。

皆さんが大なり小なり、【器】を持っていると想像してみてください。

器

ここにたくさん注がれているものを【生命力】と例えてみましょう。

器の内側にたくさん溢れていると、外側からかかる衝撃(肉体的にかかる疲労)、内側かかる衝撃(ストレスなどの精神的な疲労)に耐えることができます。

この注がれているものが消耗してしまうと、それらの衝撃に耐えることができなく、器に【ヒビ】が入ってしまう…これが体に現れる不快な症状だと考えてみてください。

このヒビを修復するために、また生命力が使われていきます。さらに修復に時間がかかるほどヒビから生命力が漏れてしまいます。器の中の生命力が少なくなっていくほど「なんだか疲れやすい…」「治りにくい…」というのは、このようなことが起きています。

生命力が消耗すると

生命力は【元気】とも言い換えられます。

心身に良い影響があることを行うと蓄えられていくと思ってもらえるといいでしょう。

薬や電気療法、マッサージ、整体法など身体に刺激を与えて回復を図る治療法で改善しないケースは、この元気が消耗してしまって、刺激に応える回復力が枯渇してしまっている状態なのではないかとも考えられます。

 

刺激に応える力がない状態で仮に刺激の量が多過ぎると、さらに元気が消耗してしまうこともあるとは思いませんか?

これがマッサージでいうところの「揉み返し」や薬剤での「薬疹」などの身体に不快な反応が現れる背景です。

当院では身体本来の回復力が発揮できるように【生命力:元気】を器にたくさん入れてあげれるように治療を進めていきます。そうすることでご自身で器に傷を負ってしまっているヒビを治す力が現れますからね。

器に穴があく

治療を進めていく上で重要となるのが【古傷:ふるきず】です。打撲、捻挫、打身、切傷、虫刺され、火傷などの類ですね。特に悪さをするのが首の古傷…そうですムチウチです。交通事故以外にもスキーでの転倒、水泳の飛び込み、野球のヘッドスライディング、サッカーのヘディング、柔道での受け身など記憶にないことでも首を患っていることが多くみられます。

これらがあるとしたら器に穴が開いてしまうと思ってください。元気がその穴から抜けていってしまうとしたらどうでしょうか。

疲れた時、寒い空気にさらされた時、雨が降る前の時など、いつも痛む部分はありませんか?

身体の傷自体は治っていても、記憶として痛みを覚えていたとしたら…身体は健気に治すためにエネルギーを使い続けることになります。

そこで当院では鍼治療で身体を整えて、たくさん元気を足していきます。すると古傷がハッキリと現れてくるので、心地良いお灸を使って冷えをとり、丁寧に器の穴を埋めていきます。

  • 器に元気を足していくこと
  • 器の穴を埋めていくこと

器がキレイに修復されて元気があふれて出します。すると疲れたとしてもご自身で回復する力が発揮されてくるのです。

同じ生活習慣でも急に不調が現れた時

この元気を蓄えておける器は必ずと言っていいほど、ある時を境に年齢とともに小さくなっていってしまいます。中に溜められる元気の量というのは必然的に少なくなっていってしまうのです。

すると器に穴が空いていないかなどの状態がハッキリと現れてきます。今まで何事もなくても、急に不調が現れた…というケースはこのような状態が多いですね。

いま心身に現れている症状は身体からの大事なサインです。

しっかりと耳を傾けて器を修復してくださいね。これからを過ごす体調が心地良く大きく変わりますよ。

心地良く日常を過ごす